次に和訳する 「I Would Die 4 U」
アルバム『パープル・レイン』の中でも特に好きな曲です。

歌詞は日本語にすると重い、重すぎる...
が、プリンスの全ての楽曲、そして人生の起点となった「愛」に対する姿勢をストレートに歌い上げた曲とも言える。原点ではないでしょうか。プリンス的、究極の愛のカタチとは . . .

素人の分析より、渋谷陽一さんの解説をご紹介しますね 深くうなづきました。

(Rockin'on 2016年7月号  追悼プリンス特集より  渋谷陽一さんが語る「プリンス論』から一部抜粋)


(『I Would Die 4 U』に触れて)
プリンスの有り様を象徴するラヴ・ソングだと思います。
そこでは何が歌われているかというと、<僕は女じゃない 僕は男じゃない 君には絶対にわからない何かだ><僕は君の恋人じゃない 僕は君の友達じゃない 君には絶対に理解できない何かだ>と。
 
つまり、自分自身の愛は、恋愛とか肉親とかそういうレヴェルの愛ではなく、もっと普遍的な愛だということを強く訴えているわけです。で、どれぐらい愛しているかというと、<絶対に君を叩かない 絶対に嘘はつかない 君が罪深くても そのうち許すさ/Uのためなら死ねる 君のためなら死んでもいい>っていう。

これはプリンスのものすごく本音だと思うんですよね。そして歌の結びが、<僕はヒトじゃない 僕は鳩 僕は君の意識 僕は愛 僕に必要なのは 僕が君のために死ねるということを信じる君>
ー つまり、何が一番重要かというと、「僕が君のために死ねる、ということを君が信じられること」っていう、そういうコミュニケーションを常にプリンスは求めていたわけです。

ものすごく素晴らしいし、とても感動的だけど、でも、ちょっと想像してみてください。あなたの身近な人に突然「僕は君のために死ねる」って言われたら、「いやいやいや、ちょっと勘弁してくれ」っていう(笑)。「ところでさ、僕は君のために死ねるんだけど、君は僕が君のために死ねるっていうことを信じられる?」「いやいや、それはちょっと重いなぁ。なんで急にそんな話になっちゃうの?」って多くの人は反応すると思うんですよ。恋愛のシーンにおいてさえ、きっとそうだと思います。「私はあなたのために死ねるわ」「いやいや、死ななくていいし」みたいな。

でもプリンスというのは、常に聴き手に対しても、それからスタッフや周りの人たちに対しても、「アイ・ウッド・ダイ・フォー・ユー」というメッセージを叩きつける人だったんじゃないかという気がします。

それが彼のエネルギーだったし、だからこそ、彼のキャリアを考えると、「社会なんかクソだ。死んじまえ。おまえなんかぶっ殺す」みたいな歌詞になってもいいはずなのに、常に「愛している」「みんな一緒に」「世界に愛を」というメッセージがずっと歌われていて。メロディもやっぱり肯定的だし、人を信じる音楽であり続けた。

それは彼の中にそういう思いがあったからなんですが、では、なぜそういう思いがあったかというと、逆説的な表現だけれども、理解されなかったから。理解されなかったからこそ募る「理解されたい」という思いが、最終的に「理解されっこないよ」じゃなく、「でも最終的に僕たちは理解し合えるんだ」っていうメッセージにつながっていったんじゃないかという気がします。


渋谷さん、、ご自身のラジオ番組でもプリンス特集していらっしゃいましたね。今年2月にはディアンジェロの来日公演にもいらしていたようで、遭遇したかもしれない

<プレイリスト> ワールドロック・ナウ 5月6日
1. Around The World In A Day 2. Alphabet St. 3. Nothing Compares 2 U (Live) 4. Kiss  5. I Would Die 4 U  6. Baltimore  7. Sometimes It Snows In April  8. I'm Set Free (Brian Eno)  9. Good Morning (Robert Glasper )

意外と王道の曲ばかりですね。NHK FMだもんね。
ピーター・バラカンさんのInter FM「バラカン・ビート」の選曲は渋かったなぁ。リクエスト多数のため、3週に渡りプリンスの曲をかけていました。

渋谷さんですが、確かライナーノーツで解説するのも、プリンスサイドから指名されたんですよね。

色んな人がプリンスについて語っていますが、個人的には渋谷さんのコメントが一番しっくりきました。

RO69  渋谷陽一の社長はつらいよブログ
プリンスの遺したものと遺せなかったもの
NOTHING COMPARES 2 U