やはり同業者の話は面白い!! 
素晴らしい曲紹介に、一曲一曲がすごく魅力的に聴こえ、愛着を持ってしまいます。ボウイのアルバムを全部聴きたくなりました。

プリンスのプレイリストもぜひお願いします🙏

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米ネットラジオSirius
David Bowie Channel, Guest DJ Series - Beck

次回放送は US東部時間 5/26 at 6pm, 5/27 at 6pm, 5/28 at 7am, 5/29 at 5am & 8pm, 5/30 at 9am
& アーカイブ化されており、5/31までいつでも聴けるようです。



DJベックのプレイリストはこちら👇


デヴィッド・ボウイは「Let's Dance」の頃から聴き始めたので、昔の曲は有名な曲しか知りませんが、今回聴いてみてとんでもなく偉大なアーティストだと今更ながら再認識しました。


以下ベックのコメントを添えて音源貼りました。* 聞き間違いがあったらスミマセン。巻き戻し機能がないため、漏れがあると思います💦


大好きなアーティストの一人、デヴィッド・ボウイのDJをするよ。ここで彼の曲をかけられるのは嬉しいし、自分にとってすごく意味のあること。
自分がカバーした曲、または自分の音楽作りに交差した曲を選んだ(intersected with my own music making)


1. The Man Who Sold The World(世界を売った男)
元ニルヴァーナのメンバー(デイヴ・クロール、クリス・ノヴォセリックの二人&パット・スメア)と一緒にカバーするよう依頼された曲で、ボウイが亡くなった2016にクライヴ・デイヴィス主催「Pre-Grammy Gala」のトリビュートで歌った。自分の大好きなアーティストの曲をこのグループで演奏できて、すごくエモーショナルで意味のある瞬間だったよ
*1993年の「MTVアンプラグド」で、カート・コバーン存命中のニルヴァーナがカバーした曲


(関連記事)
ベックとニルヴァーナのふたりがボウイの”世界を売った男”をグラミー前夜祭でカヴァー 映像」 〜 rockin'on.com  2016年2月16日



2. Diamond Dogs(ダイアモンドの犬)
バズ・ラーマン監督映画『Moulin Rouge(ムーラン・ルージュ)』のサントラ(2001)のために、ティンバーランドのプロデュースでカバーした曲。当初バズ・ラーマンからはミュージカルを書くのを手伝ってくれと依頼されたが、結局は過去の曲を使うことになり、この曲をカバーした。映画にぴったりの良い選曲だったと思う(ラーマン監督が指定した。"Diamond Dogs" は映画の中でムーラン・ルージュのカンカン・ダンサー達の名前になっている)。歌詞の内容がすでに自分がリリースしていた『Midnight Vultures』(1999) に近く、ィストピア(反理想郷的)、陽気でワイルドなイメージなのに当時惹かれた。
*『ムーラン・ルージュ』には主役2人がラブソングのメドレーシーンで歌う「Heroes」他、数曲ボウイの曲が使われている
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」を歌うシーンも印象的



ベック・バージョン




3. Win
アルバム『Young Americans』収録曲で、以前よくカバーした。ロックダウン直前にこのアナログ・レコードを入手して、ここ2ヵ月程僕の愛聴盤になっているのも面白いね。聴くと切ない気持ちになる、すごく特別なアルバム。ボウイで一番最初に惹きつけられたアルバムというわけじゃないけど、何年もずっと聴いている。ボウイのベスト3に入るすごく良いアルバムで、音楽的、アレンジ的にも野心に溢れている。映画的、エモーショナルで、エイリアン的、偶像的、テーマ、など楽曲群は今聴いても新鮮。ジェームス・ブラウンがカバーしたアルバムのエピソードも素晴らしい(収録曲「Fame」 JBが「Hot  (I Need to Be Loved, Loved, Loved)」でリズムやリフをサンプリングしたと言われている)「Win」は昔からいつも惹きつけられる曲。




4. Sound And Vision
何年も前に、曲をカバーして1度きりの創造的なショーをやるよう依頼され、その時にこの曲を選んだ。ショーをやる上で考えたアイデアは、"壮大なミュージシャンのオーケストラを作る" ことだった。バズビー・バークレー(ハリウッド・ミュージカルに革命を巻き起こした伝説的な演出家兼振付師。ダンサー達の群舞を円形に配置させて真上から撮影したショットが有名)スタイルの数百人のオーケストラみたいな感じ。シンフォニー・オーケストラ、ガムラン奏者、ブラジリアン・パーカッショニスト、ヘビーメタル・ギターリストをはじめ様々な楽器のミュージシャンを使って、このプロジェクトをまとめるのに2, 3カ月かかるほど大仕事だった。この曲は青図だった。ボウイがこういうことをやろうとしたとは聞いていない。ショーは大げさで、時にバカげていたが、この曲はミュージシャンが輪になって野心を遂げるのに完璧な曲で、自分はその真ん中にいた。サウンドは推移し、変わっていった(The sound was shifting and changing)。「Sound And Vision」の贈り物。まさにこれぞ音楽。これぞミュージシャンさ。



ベック・バージョン
ステージを囲んで360度ミュージシャンを配置した演奏は当時話題になりました。
Beck Reimagines David Bowie (2014)
指揮は父親のデヴィッド・キャンベル氏
 

(関連記事)
ベックの壮大な試み 」〜 Wired Japan, 2013年2月18日
   この曲を分解・再構築し、9分以上もある壮大な曲に仕上げた。


 
5. Without You
皆が好きなアルバム『Let's Dance』は、初めて買ったボウイのアルバム。「Let's Dance」「China Girl」「Modern Love」はよくカバーしている。彼がこのアルバムでチャネルしたのは、"派手でモダンな50年代ロック" を最新のものにするというアイデアだったと思う。アイデアやコンセプトは、共同プロデュースしたナイル・ロジャースの手を借りてアーティスティックで、斬新、画期的な試みになった。そして、このアルバムには多くの歓び(joy)がある。彼がチャネルした50年代はフランク・シナトラやビング・クロスビーなどのクルーナー歌手(ささやくように歌うシンガー)が全盛だった時代。ボウイはクルーナータイプのシンガーと現代のロックンロール・シンガーの架け橋的な役割を果たしたと思う。「Let's Dance」のツアー公演を観たけど、1982年(1983年にリリース& Serious Moonlight Tour 開始。ベックの勘違いと思われる)、黄色いスーツやなんかの全てが、ロマンチックで悲壮的(tragic)なフランク・シナトラ的スタイルを表しているね。もちろんそれにヒネリを利かせて、新しいサウンドを加えているわけだけど。  *Modern Love」のMVご参照


(関連記事)
ベック、デヴィッド・ボウイについて「僕のやっていることの道筋」だったと語る」 〜 NME Japan, 2016.1.31

「僕がデヴィッド・ボウイのライブを初めて見たのは1983年の『レッツ・ダンス』のツアー中だった。(中略)僕は子供だったけれど、彼は本当に際立って見えた。なぜなら、その荘厳さや重厚さが、彼をかけ離れた存在に見せていたんだ。シナトラやエルヴィスのようだった。(中略)僕はいつもボウイは、クルーナーとロックの架け橋なんじゃないかと思っているんだ。彼はいつもこの両方の世界を股にかけていた。他の誰もやったことがない方法でね。自然体で持ち込んで、ロックと融合させたんだ。」


(ご参考)
ジュリアン・テンプル監督映画『ビギナーズ(Absolute Beginners)』(1986)に出演
1958年  ロンドン  ウエストエンド、ビートルズ&ストーンズ前夜
Beginners9        Beginners3     
















ベックのクルーナー歌手風(「New Pollution」MVより)
Beck















6. Kooks
ボウイの最もチャーミングなアルバム『Hunky Dory』収録曲。完璧なアルバムで、好きな曲が沢山入っている。多分ボウイで2番目にのめり込んだアルバムだと思う。聴いてから何年も心に残っていた。明らかにボウイ自身に変化があり、「Quicksand」「Life on Mars?」など、とにかくマスターピースのアルバム。「Andy Warhol」もカバーしたが、ここでは「Kooks」をかけたい。可愛らしさがあって、よくわからないけど自分は成長期の子供の頃聞いて響いたのかも。明らかに子供が生まれたことへの歓びが感じられる。人生哲学やアーティストの家庭生活について教えてくれた曲。 
* ボウイが産まれた息子に宛てた曲(すごく素敵な歌詞!)


(関連記事)
僕らは、みんな変人だ」生まれたばかりの息子に贈ったデヴィッド・ボウイのメッセージ」 〜 Huffington Post 2016.1.14



7. Ashes To Ashes
今回は自分がカバーした曲や何年も自分にとって意味を持つ曲をかけてるけど、あまり大ヒット曲はかけないようにしている。でも、この曲は本当にマスターピースだからかけたい。ボウイはパフォーマー、スタイル、カリスマのイメージだけど、ソングライターとして言わせてもらうとこの曲は本当に偉大な偉大な曲(great, great song)。プロダクションは信じられないほど素晴らしく、曲は今だに色あせてない。




8. Stay
ボウイが唯一僕が生まれ育ったLA(チェロキースタジオ)でレコーディングしたと思われるアルバム『Station to Station』収録曲。このスタジオはある日売りに出ていて、買いたいと思い見に行ったが、値段は手頃だったけど状態が良くなくて諦めた。今ではそのことを後悔してる。このアルバムが好きなのは、ボウイがいつも音楽で表現していたことー ダンス、グルーヴ、ファンクの要素があるから。特にこの曲の冒頭のリズム・セクションには感服するほど...(ベックここで胸がいっぱいになる)インスパイアされた。




9. V-2 Schneider
アルバム『Heroes』収録曲。雑誌 Vanity Fair 2001年 The Music Issueの表紙を飾る時に撮影現場でボウイと過ごした。他にビヨンセやジョニ・ミッチェル、スティーヴィー・ワンダーなどがいて、素晴らしい人達に囲まれて明らかに吉日だった。ボウイはすごくフレンドリーで、話しやすい雰囲気だったね。何でも話せて、いろんな事に興味を持っていた。全員で写真を撮り終わり、僕が出てくると、彼は面白いコメントをしてたんだけど、「マイアミ・バイス」(大ヒットした刑事ドラマ)のように見えて... 日焼けして、スーツ姿で微笑んでおり、素晴らしいルックスだったよ。その日以来彼とやりとりすることになり、いつか一緒に仕事したいねと話していた。フローリアン・シュナイダーを追悼するためにこの曲をかけたい。
*「V-2 Schneider」はドイツのテクノポップグループであるクラフトワークのメンバーであるフローリアン・シュナイダーにちなんで名付けられた。今年4月21日死去。



Vanity Fair: The Music Issue, November  2001
Vanity Fair









10. Seven (Beck Mix #1)
ある日ボウイから電話がかかってきて、「ボウイから電話です」と言われ、そんなことは過去になかったし、これからもないだろうと思って、僕のこれまでの人生で最も好きな電話であり最も好きな会話の一つなんだけど、僕達はコミック(graphic novels)から日本旅館(Japanese ryokan)やなんかまで様々な事についてしばらく話し、それから彼が自分の曲のリミックスをやってみないかと尋ねてきた。僕は「Midnight Vultures」のツアーに出るところだったけど、一晩スタジオに入り、楽器をほとんど自分で演奏して作業をやり遂げた。ちょうどディアンジェロが『Voodoo』をリリースした週で、その削ぎ落としたサウンドが好きだったから、エレクトリック・ピアノやベース、ミニマル・ドラム、ボイス・テイクなど似たようなことをした。このリミックスには #2 もあり、そちらはもっと冒険的でギター・フリーク達がとろけそうな感じに仕上がっている。



Beck Mix #2


(関連記事)
前述のNME Japan 記事より
「ボウイとは何回かしゃべったことがある。僕の大好きな話し手の1人でもあるんだ。彼の会話はウィットに富んでいてビビッとくるし、いろいろなことに詳しくて多くのことを知っていた。彼の知性は生きているみたいで、深く語りかけてくる。これは本当に稀なことだよ。彼は何にでも詳しい。芸術、音楽、バンド、コミック、日本の寺院。何でもなんだよ。」



11. Lady Grinning Soul
この曲のピアノ演奏は長年ボウイと仕事をしてきたマイク・ガーソン
(Mike Garson アメリカ人ピアニスト。即興スタイルで知られ、二度と同じ演奏はしないと言われている)によるもの。子供の頃たまたま彼の娘と共に育ち、一緒に学校へ行き、家にも何度か遊びに行った。当時はボウイと仕事をしているなんて知らなかったけど、ピアノを弾いていたのは覚えている。彼のピアノのサウンドは、いろんな意味で僕にはノスタルジックに感じられる。

 


12. Blue Jean
最後は僕がいつも好きな曲で締めたいと思う。この曲がリリースされた当時大好きな女の子がいて、彼女が好きな曲だった。ある日テレビからこの曲のミュージックビデオが流れてくると、彼女はどれだけボウイが好きか話し始めた(ベックここで苦笑する)。僕にとってこの曲はマリンバ、バリトン・サックスの演奏、ジーン・ベンソンに向けて歌った幻想的な作り話って感じだけど、それも含めて全部好きだ。素晴らしい曲だと思う。
* MVはジュリアン・テンプルが監督




デヴィッド・ボウイはアルバムごとに変化し続けた元祖カメレオン・アーティスト。曲ごとに雰囲気が全然違う!
「Ashes to Ashes」は特に好きな曲なので、ベックが選んでくれて嬉しかったな♪「Kooks」は可愛らしい曲ですね。あ〜もっとボウイ聴かなきゃ。大絶賛された遺作「ブラックスター★」もまだ聴いてない...

ベック先生、さすがの選曲でございます。ボウイと日本旅館の話をしたのね。二人とも京都好きだもんね


(参考記事)
DAVID BOWIE is  デヴィッド・ボウイ大回顧展 観賞レポート

 あらゆるジャンルから多種多様なインプットをする → ボウイ曰く「自分の記憶装置にとどめておく」

「ボウイはインテリジェンスがあり、直感力もすごい。こちらが話す前に何を言わんとしているかわかるところがある。地上から少し浮いているシャーマンのような人だった。」(坂本龍一談)