音の匠プリンスが意欲的に実験したと思われるアルバム『Sign O' The Times』
プリンス版ビート集とも言えるほど、手を替え品を替え細部にまで凝ったビート音を聴かせてくれます。

プリンスは一体何がしたかったんだろう?自分が影響を受けた音楽(主にブラックミュージック)を解体して、再構築したかったのかな? なんて小難しく考えずに、ひたすら”ファンキーな音” ”クールな音” を追求したらこうなったという感じがします。

歌詞は飛行機✈️の中であっという間に書き上げたらしいですね。

(ご参考:GQマガジンの関係者インタビューより)

Gilbert Davison(1984年から1993 年にかけてプリンスと仕事をした。ボディーガードからペイズリーパークの社長に昇進):  俺達はミネアポリスからロサンゼルスまで3時間半のフライト中だったんだけど、前夜はかなり遅くまで起きていた。けど、プリンスはレコーディングをしたがった。機内でメモ帳と紙を欲しがったから、俺はノートとペンを渡したんだ。彼は書き始め、詩(a poem)を書いて、俺に渡した。俺は読んで、こう言った。「えっと、いいんじゃない... クレバーな感じだね。」俺はメモを彼に戻した。10分か15分後、今度は別の詩を俺に渡した。俺は「ああ、うん。最初のと同じくらい、いいね。」って感じだった。「なぜ彼は俺に詩を渡し続けるんだろう?」これがその晩中続いた。
飛行機が着陸し、彼はこう言った。「スタジオに行ってもいいかな?」彼はいつも誠心誠意だったから、俺は「君はやりたいことを何でもできるんだよ。」と言った。そしたら彼は「ええと、2、3時間過ごして、その後家に向かおう。」そして、俺達はスタジオに行った。結局、そこに連続3日間、ほとんど4日間いたよ。 彼が終えると、俺はスタジオに入り音を聞いた。家に帰る途中彼に聞いたよ。「頭の中に全部あったのかい?歌詞だけじゃなく、音楽だけじゃなく、メロディーだけじゃなく、アレンジやなんか全て?」 そしたら彼は言った。「ああ、そうだね。頭の中にある時は外にださないと、眠れないんだ。」彼は Sign O’ The Times(の2枚のアルバム)を書いた。基本的には、飛行機に乗っていた3時間半で書き上げたんだよ。



それでは、アルバムのタイトル曲『Sign O' The TImes』再聴。


公式MV
ピーター・バラカンさんが、このMVを見た時のことは一生忘れない、と言っていたのが印象的でした。当時メッセージの文字が表示されるビデオなんて無かったですものね。斬新かつ衝撃的でした。




パフォーマンス in Rock & Roll Hall of Fame 2004


Rock & Roll Hall of Fame 公式 Prince Tribute Compilation
Purple Philanthropy Benefit Concert


プリンスの愛弟子であり盟友シーラ・E によるSign O' The Times
ー Purple Philanthropy Benefit Concert のオープニング



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シーラ・E、プリンス追悼公演



<他のアーティストによるカバー> 主にジャズ系


先ごろ来日したミシェル・ンデゲオチェロ
Meshell Ndegeocello feat Elie Dalibert, Sign O' The Times, Jazz à la Villette 2011




ロバート・グラスパー・トリオ
Robert Glasper Trio - Sign O' The Times - New Morning Paris, July 20, 2015


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ロバート・グラスパー「Sign O' The Times」



変わり種ではニーナ・シモン
Nina Simone - Sign O' The TImes (Outtake 1993)



ミューズやシンプル・マインズ、チャカ・カーン、デュラン・デュラン(ライブ)他、様々なアーティストがカバーしています。