【和訳を追加しました】


「Kiss」がここに繋がるとは!
人生はあちこちに伏線が張り巡らされていますね✨

インタビューで "違う色で絵を描く(paint in different colours)”という表現も使っています!(参考記事:接吻(Kiss)

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映画『ムーンライト』『ドリーム』と話題作(いずれも傑作!)への出演が続いたジャネル・モネイ。すっかり女優として板についてきましたが... 音楽は"別物"とのこと。
5年ぶりに新作アルバム『Dirty Computer』を4月にリリースするようです。なにやらプリンスを匂わせるタイトル。オマージュかな... と思ったら、プリンスも関わっていたようです!

ジャネル・モネイ、待望の5年ぶり新作を4月に発売決定
 〜 bmr  2018年2月23日

(一部引用)
プリンスにもその才能を認められ、2013年の〈BET Awards〉でトリを飾るパフォーマンスを披露したのも、実はプリンスが直々に主催者側に電話してジャネル・モネイを出演させるよう要請したというエピソードもあるほど。同年にはプリンスやエリカ・バドゥらが参加した『The Electric Lady』を発表して高い評価を得た。

Apple Musicのインターネット・ラジオ Beats 1の番組に出演したジャネル・モネイは、新作『Dirty Computer』について、「このアルバムを作らなくちゃっていう想いがずっとあった。このコンセプトとタイトルは、(2010年に発表した)ファースト・アルバムの『The ArchAndroid』より前からすでにあったの。でも、あまりにディープで、パーソナルで、率直な内容になるだろうことが分かっていたから、正直言って怖かった。このアルバムは、極めて“脆く弱い”作品」、「今まで語ってこなかったことがたくさんこのアルバムでは語られている。だから、私の精神や心に近づいて見てもらえるアルバムになったと思う」と説明している。


このアルバムから先行で2曲公開されましたが、そのうちの1曲

Make Me Feel
ちょっと研ナオコ入ってる


(ビデオのレビュー記事より
Prince meets "San Junipero"(アメリカのドラマ)

80年代のテイストが入ったバイセクシャル・アンセム。
女優テッサ・トンプソン演じる女性はガールフレンドという設定。
ジャネル・モネイは、自分がバイセクシャルということをカミングアウトしていると推測される。
 → あくまでこのライターの見解。事実関係は不明です。


「Kiss」
まんまじゃん!特にギターリフとか🎸⚡️  最後のほうに雄叫びもある
ビジュアルもプリンスの要素満載。
* 重いシンセのビート部分はプリンス作のようです(正式なクレジットを見ないと断言はできませんが)
 → ポワン、ポワンって全編流れている近未来的ビートのことと思われます


英国ガーディアン紙のインタビュー記事をご紹介します。
'You don't own or control me': Janelle Monáe on her music, politics and undefinable sexuality
 〜 The Guardian  Feb 22, 2018

(プリンスについて語った部分のみのサマリ)
2018年現在に生きるのに最も難しいことは、自分の主となる音楽のメンターがいない世界で前進し続けることだとモネイは言う。
「そのことについて話すのさえ、私にとっては難しいことなの。だってプリンスはこのアルバムを作るのを手伝ってくれていたから。」

プリンスの突然の出来事は胃を刺すような痛みだったという。
「プリンスと最後に会ったのは(2016年の)元旦だった。彼と一緒にSt. Bartsライベート・パーティで演奏したの(*注:プリンスはロシア富豪からの依頼で、カリブ海にあるセントバーツ島で開かれた2016年 New Year's Eve Partyで演奏した。映像1, 映像2。一緒に座って、5時間ただ話し続けたわ。プリンスとスティーヴィー・ワンダーは私がいろんなことについて話せる人達だった。」

プリンスとスティーヴィー・ワンダーはモネイの初期の頃の英雄だった。彼女は『The ArchAndroid(2010年リリース)をリリースする前、二人に楽曲のコピー、CD-Rに手書きのトラック・リストを添えて送ったのだ。プリンスはその時モネイを励ましただけでなく、彼女がBET Awards に出演できるよう働きかけた(*注:2010年に初めて出演した時のこと)。その後彼女の2ndアルバム『The Electric Lady(2013年リリース)にも参加した。

プリンスが亡くなった時、プリンスとモネイは『Dirty Computer』のために音を集めていた(collecting sounds)ところだったという。
「プリンスがいなければ今の自分にはなり得なかったでしょうね。つまり、私のレーベル “Wonderland”はペイズリーパークがなければ存在しないでしょう。」モネイは言う。そして少し笑った。
(中略)

「プリンスやデヴィッド・ボウイのスピリットを感じる。エネルギーを感じるわ。彼らは進化し続けた。彼らの中に自由(フリーダム)を感じるわ。」

「私は自分の多くの音楽をプリンスに捧げているわ。彼が音楽やブラックの人々、女性や男性のためにやってきたこと全てに対してね。」

(中略)

「ボウイとプリンスもおそらく"怖かった"に違いない」とモネイは思っている。彼女自身"怖れ(fears)"を感じている。ー このアルバムで新事実を暴露していることを示唆していると思われる。
「取り残され、発言できない人達を支持すること... 映画でそうするのもひとつの方法ね。でも、音楽でそうするのは違うことなの。だって自分自身をさらけ出すんだから。だから今ここで椅子に座って、私は自信に満ちており怖れがない、とあなたに言うことはできないのよ。だって怖いもの。自分の家族がどう反応するだろうか、人々はなんて言うだろうかってね。」

彼女が最も怖れていることは何か?
「もう泣きそうよ。そうね... "拒絶されること"(rejection)への怖れがあるの。人々は自分の頭の中にあるイメージを私に求める。私が多くの人々を代弁する存在になっているのを考えると後ずさりしたくなるわ。ひとかどの人物であることに対してプレッシャーを感じる。」
(中略)

彼女は何に対してひとかどの人物であるべきかを明らかにはしなかった。ポップスター?SFの女神?市民権のスポークスパーソン? おそらく、アルバムがリリースされるまでは、これ以上情報を明かすことをそつなく控えるのだろう。

いずれにせよ『Dirty Computer』はモネイの最も人手による仕事(her most human work  → 最近SFドラマに出演したことに引っ掛けて)となりそうである。

「このアルバムの製作プロジェクトは "違う色で絵を描くこと” だったの。ただ白と黒だけじゃなく、クレヨン箱の中にある色合いを使うことを自分自身に許すことだった( This project was about painting in different colours, not just black and white; going in and allowing myself to use all the shades of the crayon box )。完全で複雑な人間そのものにフォーカスする時間だったわ。誰が私に賛同してくれて、誰が私を批判するかはわからない。でも、背を向けて隠れることはしない。」
どこかで、確実に、彼女のヒーロー達は拍手を送っていることだろう。

(関連記事)

・「365 Prince Songs in a year: Prince gets down to 'Givin' Em What They Love' with Janelle Monáe
 〜 Diffuser  Feb. 24, 2018 
  時間切れでサマリ載せられませんでした...

・ Apple Music インターネット・ラジオ Beat 1でのインタビュー
      "The Artist"としての自分を強調しています。「Make Me Feel」はアトランタにある自身のスタジオ、ワンダーランド・スタジオで夜通しレコーディングしたそう。アルバムがリリースされることについて「100%正直に言って、怖い...」とここでも述べています。

「Make Me Feel」のシンセパートについて、元プリンス専属のDJ レンカ・パリスさんの証言。

2年半程前にプリンスのためにちょっとしたパーティーでプレイしたの。途中でプリンスが「音楽を止めて。ちょっとプレイしたいんだ。」...彼はノートPCを開いてビートをプレイし始めた(plays a groove)。それから重いシンセのビートが鳴り始めて、私の二人の友人と私は同時に「oh shit!(ヤべエ!)」と言ったわ。彼は私達がそういうのを聞いて笑った。近未来的で、すごくすごく良かったのよ。
昨夜ジャネル・モネイの新曲を聴いた。シンセのパートが鳴ったら、「oh shit! That's it!(ヤベエ!正にこれよ!)」プリンスは彼女に(シンセのパートを)あげたんだわ。彼は本当にパイオニア(新技術を開発する先駆者)で、時代の先を行っていたもの。
ジャネル・モネイの電話インタビューを聴いたけど、プリンスのビート(beats)と音(sounds)がアルバム全編に出てくるみたいね。彼女は多くを語らなかったけど、胸を詰まらせて、プリンスのことを語るのはつらい、プリンスがいなくなって寂しいと言っていた。この曲は素晴らしいわ。プリンスの才能が私を驚かせ続ける。彼がいなくなって寂しい💜(レンカ・パリス)



→【後日追記】
ジャネール・モネイが語る、セクシュアリティの秘密、プリンスとの関係
 〜 Rolling Stone 2018年5月30日


(一部引用)
ファンの間では「メイク・ミー・フィール」はプリンスとの共作であり、「キス」を彷彿とさせるギターリフが登場するという噂が広まった。「あの曲に彼は関わってないわ」。モネイはそう断言しつつ、プリンスが生きていればプロダクション面で多くのアドバイスをくれたはずだと語る。「アルバムの制作中は、彼の不在を意識せずにはいられなかった」。『ジ・アーチアンドロイド』のCDが手元に届いた時、モネイは手書きのタイトルと花を添えて、真っ先にプリンスのところに持っていったという。「アルバム制作を進めながら、『プリンスなら何ていうだろう』って何度も考えた。でももう彼の声を聞くことはできない。進むべき道を示してくれた人物を、私は永遠に失ってしまった」


・「Monáe, Of Montreal get it on at First Avenue
 〜 StarTribune   Sep 24, 2010
2010年9月 ファーストアヴェニューの公演レビュー。プリンスはシェルビー・Jを連れて見に行ったようです。公演後ジャネル・モネイとバンドメンバーはペイズリーパークを訪れ、プリンス達のリハーサルを見学したそう。(ご参考:シェルビー・J、プリンスを語る

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ジャネル・モネイの新境地となる作品になりそうですね。5年ぶりの新作とのこと。プレッシャーは半端ないでしょう。カミングアウトの要素があるかどうかは不明ですが、かなりディープでパーソナルな内容のようですね。インタビューでも"フリーダム(自由)"という言葉を連発していました。自分自身を解放したのでしょう。そりゃ、怖くなるよね💦

先日のグラミー賞授賞式でも立派なスピーチをして、まさにオピニオンリーダー的存在✨ 頭脳明晰で優等生っぽいイメージがあります(ど田舎のカンザス出身。保守的な土地柄)

ケンドリック・ラマーのアルバム『DAMN.』収録曲「FEAR.」を思い出しました。ケンドリックが抱えていた"怖れ"を吐露する内容です。

ちなみに、2015年当時「プリンスが選ぶお気に入りのアーティスト10人」に入っています!よく考えてみたら、これランキングじゃないのね...
http://ew.com/article/2015/09/15/prince-10-favorite-artists/

 ジャネル・モネイについて
Prince:  "Brilliant. She's so original. I honestly think she could run for president one day. And win." (才気煥発。彼女はとても独創的だね。正直、いつか大統領選に出馬するんじゃないかと思ってるんだ。そしたら勝つだろうってね。)


【BET Awardsの映像】
2010 Prince Tribute: Janelle Monae - Let's Go Crazy

プリンス殿下ご満悦の表情
https://vimeo.com/15788996

2013 Janelle Monae Performs QUEEN with Erykah Badu
女王エリカ・バドゥと共演✨
https://www.youtube.com/watch?v=yZGugTVBMEU

2016 Prince Tribute: Janelle Monae - Delirious, Kiss, Pop Life, I would Die 4 U
https://vimeo.com/173113941


Tiffany & Co. - 2017 Fall Campaign: Janelle Monae
ここでも"The Artist"としての自分を強調しています。影響を受けているのね



(関連情報)この2作品はお勧めです!!
『ムーンライト』鑑賞

『ドリーム(Hidden Figures)』 (ファレル・ウィリアムス製作/音楽担当)

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St. Beauty
    ジャネル・モネイがプロデュースしているデュオ。先頃アルバムをリリース。

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