雰囲気があってとても好きなバラードですが、プリンスっぽくない曲だな?と思っていました。やはりウェンディとリサが作曲したトラックが基になっていたのですね!

これは、アカデミックにクラシックやジャズを勉強した人でないと書けない、複雑な構成の曲のように思います。とても洗練されている。メロディーも美しくて、想像力が掻き立てられますね。

自分の中では、街の雑踏を行き交う人々の情景が浮かんできます。パリっぽい雰囲気もあって、プリンスのエモーショナルなファルセット・ボイスが加わることで(表現力が素晴らしい!)、どことなく懐古的でありながら、上質な一篇の詩、いやむしろ短編映画のような趣がある。ジョニ・ミッチェルの影響も感じられますね。
なんとなく人恋しくなる今の季節にぴったりではないでしょうか。

Prince Sings The Revolution's Swan Song (最後の作品)in 'Power Fantastic' : 365 Prince Songs in A Year
 〜 Diffuser  November 12, 2017


(サマリ)

多くの人にとって「パワー・ファンタスティック」は、プリンス&ザ・レヴォリューション名義で正式にリリースされた最後の曲として認識されている。1993年にリリースされたアルバムThe Hits/The B-Sidesの3枚目のディスクに収録されているが、この曲はその何年も前、バンドが創造性において絶頂期だった1986年3月16日(注:Prince Vaultには3月19日とある)、解散する数ヵ月前に録音された。

ペイズリーパークの建設中、プリンスは自身のキャリアの中で最もコラボレーションをする時期を過ごしていた。まるで『パープル・レイン』でキッドが最終的に二人のデモテープを聴いたように、スタジオではウェンディ・メルヴォワンとリサ・コールマンにますます権限を与えるようになっていた。「パワー・ファンタスティック」はまずウェンディとリサが作曲し、「Carousel(カルーセル: 回転木馬)という曲名がつけられた。二人はプリンスがスタジオで単独で過ごす時間をくれた時に、この曲を書いたのだ。「多くの曲がテストの勉強みたいだったわ。どんな風に聴こえるかって試行錯誤してね。」リサはマット・ソーン著『Prince: The Man and His Music』で語っている。

Prince Vaultによると、曲はプリンスが当時完成させたチャンハッセンにあるガルピンロード・ホーム・スタジオ(Galpin Road home studio)で録音された。それまで多くの作品を録音するために使われていた室内向けの設備とは異なり、このスタジオはバンド全員が一度に録音するのに十分な大きさだった。

「ワールドクラスのスタジオだったわ。」エンジニアのスーザン・ロジャースはパー・ニルセン著DanceMusicSexRomanceで語っている。「何にでも競うことができたでしょうね。」この本の中でロジャースは、スザンナ・メルヴォワンが空間にマジックと創造的なエネルギーを持たらすために、コントロールルームにステンドグラスの窓を作ったことも明かしている。

まさに今花開こうとしている「ドリーム・ファクトリー」プロジェクトのために「ドローシー・パーカーのバラッド」を録音した数日後、ザ・レヴォリューションは「Carousel」を録音した。ウェンディ・メルヴォワンがリズムギターからブラウン・マークのベースの役割を果たすよう役割を変え、ボビー・Zがドラムを叩き、エリック・リーズがフルートを吹き、マット “アトランタ・ブリス” ブリスタンがマイルス・デイヴィスと勘違いされるほど(注:ブート版ではマイルス・デイヴィスとクレジットされていたらしい)素晴らしいトランペットを吹いた。プリンスのピアノは大きすぎたので、リサは階のリビングルームで弾いた。プリンスが歌詞を書いている間に倉庫でリハーサルした後、バンドは1テイクで録音した。
(注:プリンスを含む全員で録音したと思われる)俺たちがこれまでやった中で最も素晴らしい曲の一つだったよ。」エリック・リーズはパー・ニルセンに語っている。「プリンスの洗練された素養が際立っていて、ヴォーカルは完全にうっとりするものだった。」

「Witness 4 the Prosecution」のように多数のテイクがあり、デモから最終形式まで着実に進化していく当時の他の曲とは違い、「パワー・ファンタスティック」2つのバージョンしかない。公式にリリースした編集バージョンと、イントロが追加されたバージョンだ(フルートをもっと多用した、サイケデリック調なインストゥルメンタル)。

『Around the World In A Day』がプリンス&ザ・レヴォリューションの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』だとするなら、アルバム『ドリーム・ファクトリー』『レヴォルバー』『ホワイト・アルバム』が一つに収まっているアルバムだと言えただろう。シングルとダブル・アルバム仕様を録音した後、その夏にウェンディとリサはザ・レヴォリューションを脱退した。プリンスはザ・レヴォリューションが多大な貢献を果たしたそのプロジェクトを打ち切り、手直し(リワーク)した曲を収録する3枚組の『Crystal Ball』に注意を向けるようになった。曲の多くはやがて『Sign O' The Times』『The Hits/The B-Sides』、1997年の蔵出し音源集『Crystal Ball』に収録されることになるのだが。

「パワー・ファンタスティック」の激しくも親密な歌詞は、当時プリンスの音楽の中心にあったテーマ、すなわち神、音楽、セックスを盛り込んでいる。

 Minor G is the chord of pleasure / It will be played eleven measures

 In your room is something you're afraid of / Life or doom is what this feeling’s made of

プリンスは天使のようなファルセットで歌い上げており、多くの点で、この歌詞は別の珠玉の未発表曲「In a Large Room With No Light」(注:ネットに音源がアップされています)でも歌われている 恐れと救済” のテーマを思い起こさせる。

「パワー・ファンタスティック」がプリンスのセットリストに入るまで、さらに10年かかるだろう。彼がこの曲を歌ったのは、2011年、ハリウッドにあるTroubadourでのスペシャル・クラブショーが最後だった。


Prince Vaultより)
演奏者
- Prince - all vocals and instruments, except where noted
- Wendy Melvoin - guitar → 上記文章だとベース
- Lisa Coleman - keyboards
- Bobby Z. - drums (assumed)
- Brown Mark - bass guitar (uncertain involvement) 参加したか不明  → 上記文章だと不参加と思われる
- Eric Leeds - flute
- Atlanta Bliss - trumpet


(関連記事)

「パワー・ファンタスティック プリンス」で検索すると、ブログで解説してくださっている方がいます(ブログ名:A DAY IN THE LIFE WITH MUSIC
プリンスが正式にリリースする前に、他のアーティストがジャズアルバムで発表したのですね!プリンスは意外にも承諾したらしい

Power Fantastic: 10 Prince Deep Cuts to Grieve By
   〜 Rolling Stone Australia 

 「ウェンディとリサは、プリンスの数多くいるコラボレーターの中でおそらく最もベストだったといえるだろう」

Prince.orgでも絶賛されていますね
 スーザン・ロジャースによると、プリンスはスタジオのコーナーで歌ったとか。1テイク一発勝負。


bside

















56