9月1日&3日 ハーヴィー・メイソン "カメレオン" ブルーノート東京公演 その1

に続き、演奏編まいります

大御所、中堅、若手の変動型混合チーム“カメレオン”による進化型フュージョン。 今年観たライブで1、2を争う素晴らしさでした✨
まず、プレイヤー全員が超一流。 それぞれが大物アーティストのアルバムに参加、プロデュース、個人名義でアルバムを発表、と自分の看板で活躍しているアーティストです。

ハーヴィーも「それぞれ自分でもアルバムを出して活動している、素晴らしいミュージシャン達だよ」と誇らしげにバンドを紹介していました。 


音楽ジャンルは、一見最新のフュージョン。ハーヴィーが所属しているグループ、フォープレイ(Fourplay)のスタイル “スムース・ジャズ(smooth jazz)” の影響もあるのか、アメリカ西海岸ののびやかな、けれど洗練されていて、聴いていて気持ちいいフュージョンという印象でした。
が、これにモノネオンの骨太で自由自在なベースが加わることで、タイト感とグルービー感が増し、躍動感溢れるサウンドになっていました。

演奏スタイルは、まず大御所ハーヴィーがドラムを叩き、そこにモノネオンがベースを乗せていき、次にマーク・ド・クライヴ・ロウがピアノやキーボードを乗せ、それからサックス(ときにフルート)とトランペットがコンビでメロディーラインを吹くというパターン。それぞれが役割をしっかり果たしながらも程よく攻めているので、サウンドがどんどん発展していき、聴いていて予定調和ではないワクワク感がありました。これぞアンサンブルの醍醐味!

数曲はモノネオンが先発でかなり長いソロを弾き、それからハーヴィーがドラムを乗せていくというパターンもあり、モノネオンの超絶プレイにお客さんの目は釘づけ👀

最終日は、これにDJ KrushのDJプレイが加わり、派手にスクラッチする”いかにも”なプレイではなく、さりげなく音を入れることで、全体的にエレクトリックな宇宙空間を感じさせる、広がりのあるサウンドになっていました✨

ある曲ではハーヴィーのドラム演奏が途中からどんどん加速していき、高速へ。まさにこれはクラブ・ジャズ! 一気に異次元へ連れて行かれてトランス状態に陥りました。き、気持ちいい〜
後ろの幕には宇宙の映像が投影されていましたね。
6月のロバート・グラスパー エクスペリメントの来日公演でも、同様に宇宙空間を思わせる”スペーシー” なDJプレイが挿入されていましたが、これってトレンドなのかな。

各メンバーの演奏について 

モノネオン(ベースギター)
ただただすごかった。5弦のベースで、コードを押さえる右手は指さばきが早くて正確、細かい動きながらも音は大胆。スライドギターっぽいワザも見せてくれました。弦を弾く左手が「あれ?随分と端のほうで弾くんだなぁ」と素人でも不思議に思いましたが、“ブリッジ” 寄りに弾くことでよりシャープで硬い、骨太な音が出せるのですね。

アドリブはお手の物、ところどころに“モノネオン風 味付け”をほどこしていました。不協和音を重ねたような奇妙なコード音や時にフラメンコ調など。

驚いたのはモノネオンは左利きなのに、右利き用のベースを弾いていたことです!どういうことかと言うと、右利き用のベースの弦の配置が逆さまになります(1弦側が低音となる)。それを左利きに弾くから低音の弦が一番下にあって、高音の弦が一番上にある。うーん、演奏しない自分にはわけわからん。ジミ・ヘンドリックスも左利きで、右利き用のギターを弾いていたらしいから、その影響かな?

足元のエフェクターは、ワーミーペダル(というらしい)1つだけ。シンプル・イズ・ベスト。つまり、それだけ表現力があるということかな?
とにかくバンドの演奏の間、常にモノネオンの太いベース音が鳴っていた印象で、これがメロディーラインじゃないか?というくらい存在感がありました。こんなに存在感のあるベース音は聞いたことがないかも。
ハーヴィーの動きをよく見ており、それから音を乗せていき、アレンジを効かせていました。とにかくグルーヴィー✨

サンダーキャットのベース演奏はメロウで歌っているみたいな感じ、と以前ベーシストの亀田誠治さんがおっしゃっていましたが、モノネオンの演奏は音がもっと低音で太く、かつシャープでキレっキレっ。躍動感あふれるファンキーなベースという感じかな。


ハーヴィー・メイソン(ドラム)
御年70歳と後で知りビックリしましたが、余裕の貫録。が、衰えを感じさせないタイトな演奏、メンバーやDJのプレイに瞬時に反応して、自在に演奏を変えていたのが流石でした。 高速演奏にもビックリ。前述の同じテーブルに座っていたギタリストさんによると、ハーヴィーのドラムはハーヴィーにしか叩けない”ハーヴィー節”があるとのこと。ジョージ・ベンソンのライブに参加したアルバムメローなロスの週末がお勧めだそうです。

マーク・ド・クライヴ・ロウ(キーボード)
昨年に続き、今回もカメレオンバンドに参加とのことで、ハーヴィーと共にバンドの司令塔的役割を果たしており、メンバーに相図を出したり、音頭をとっていました。ピアノ、シンセ、マシーン(名称わからん)を自在に弾きこなし、一体何台演奏してんだってカンジ(笑)。時にヒップホップやブレイクビーツを多用し、クラブ風にお客さんをノせていたのもさすが


ジョゼフ・ライムバーグ(トランペット)
今回この人の演奏も楽しみにしていました。カマシ・ワシントンを筆頭に"スピリチャル・ジャズ"なるものがトレンドのようですが、この人もその一人かな。確かにスピリチャルな雰囲気(グルっぽい)を漂わせていました。モノネオンのことを、包み込むような穏やかな笑顔で見守っていたのが忘れられない 演奏は抑制が効いていながらも、時にパワフル。なんとなくマイルス・デイヴィスの「Little Church」を思い出しました。ジョセフのアルバムを聴いてみよ♪

浜崎 航(アルト&テナー・サックス、フルート)
今回の嬉しい発見。アルト・サックス、テナー・サックス、フルートまで自在に演奏。日本人にもこんなウマい人がいるんだ!と釘付けでした。医師志望から音楽家に方向転換したらしいです
経歴がすごい:
http://www.watarujazz.com/wataru/Profile.html


このように凄腕ぞろいのメンバーが、互いの演奏を見ながら絶妙に絡んでいってましたね。


正直なところモノネオンの印象はというと、、
小柄(170cmくらい?)で細身というか華奢。意外にも端正なマスクにクールなただずまい。そして、もちろん蛍光色のコーデ。
が、性格は極めて内気でシャイとみた(密室系音楽オタク)。 全然客席のほうを見ないし、ずっと手元を見てましたね。人の顔をまともに見れないんじゃなかろうか。照明が暗くなると客席のほうをちらっと見ていたので、見れないんだなぁ、やっぱり。全然喋らないし。
少しスネているようなところもあり、なんとなく初期の頃のプリンスとキャラが似てるな、と

初日にハーヴィーがメンバー紹介をする時、それぞれ名前と出身地を紹介していましたが、モノネオンの時は「さて、彼はどこから来たんだろうね?」とハーヴィー。ウケた
でもモノは知らん顔。おまけに客席に背中を向けて。おい、モノ!少しは愛想ふりまかないと、これから独り立ちできないわよ。

最終日は少し進歩して、ハーヴィーがモノネオンの名前を紹介すると、モノ、下を向いてニヤリとうなずいてました。
ハーヴィー「ユニバース(宇宙)から来た人。意味わかるかな?」と客席に聞いてきたので、「うんうん、わかる!」と答えたら、「そう、わかる..。」と嬉しそうに納得した顔してた モノネオンを見ると、ニヤリ。やった、笑った

モノ、どうやら初日は緊張していたらしい。ピリピリしてて近寄りがたい雰囲気だった。まだ場数を踏んでないし、バンドの練習もほとんどしてないだろうから、緊張していたのね。 最終日の公演を観た時は傍で見ていてもリラックスして、ノッているのがわかりました。

関係者のツイートによると、モノネオンはハーヴィーとマークが音楽フェスで見かけて気に入ってしまい一緒にやってみたいからと、この機会にとオファーして初共演したとのこと。日本だけの貴重な機会だったようです。マーク曰く「あいつはミスしてもかっこいい」

モノネオン目当てに来てる若い人も多かった。ソロ演奏の時は、あちこちで声が上がってましたね。注目されてるのね

そうそう、モノに渡した手紙の内容ですが(参照:モノネオン・ロス、そしてトリビュートに気づく
まず新譜と演奏の感想、それからペイズリーパークのスタジオAで「RUFF ENUFF」を聴いたことを書きました。そして「忘れないで、プリンスはあなたを選んだんだよ。あなたならきっとやれると信じてる。今後のアーティスト人生が実りある素晴らしいものになりますように。」と添えました。
ネット動画を観ても試行錯誤している様子がわかったので、勇気づけたい姉心からでした❤️
(むしろ叔母心から?現在はメンフィスからLAに拠点を移したようなので、活躍の場が広がるかもしれませんね。モノ、ファイト💪


今回の公演はとても良かったので2回観に行きましたが、フュージョンでも先端のアレンジと音。一枚も二枚も上手というカンジでした。まだまだ強豪がいますね、あちらには。至福の時間でした✨
 


<ブルーノートから届いた<アーティストからのメッセージ>
キーボーディストのマーク・ド・クライヴ・ロウは日本語が話せるだけじゃなくて、書けるのね!ニュージーランド人だから同じアジア太平洋地域ということで、親日家なのかしら❤️ → お母様が日本人とのこと(情報ありがとうございました)

モノネオン、ぶっまんまじゃん。ヘンなおじさん お兄さん

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